予防接種
予防接種
予防接種には「定期接種」と「任意接種」の2種類があります。定期接種は各自治体が実施する予防接種のことを言います。定期接種には肺炎球菌ワクチン(65歳以上、5歳刻みで1回)、結核に対するBCGワクチン、麻疹・風疹混合ワクチン(MRワクチン)、日本脳炎ワクチン、水痘ワクチンなどが挙げられ、公費負担となります。
任意接種は個人の判断で受ける予防接種となり、自己負担となります。任意接種にはインフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチン、おたふくかぜワクチン、A型肝炎などが挙げられます。また65歳以上の方は上記のワクチンの中、インフルエンザを大和市の助成金で接種できることがあります。
各種予防接種をご希望の方は、受付までお問合せください。
インフルエンザ | 4,500円 |
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肺炎球菌(ニューモバックス) | 7,700円 |
A型肝炎 | 8,250円 |
B型肝炎 | 5,380円 |
麻疹 | 6,150円 |
風疹 | 6,150円 |
風疹・麻疹(MR) | 9,720円 |
水痘・帯状疱疹(50歳以上) | 生ワクチン: 8,150円 |
サブユニットワクチン: 22,000円×2回 |
|
流行性耳下腺炎(おたふくかぜ) | 6,050円 |
破傷風 | 2,040円 |
(税込)
インフルエンザはインフルエンザウイルスによって引き起こされる疾患で、感染力が強いA型・B型があり、冬に大きな流行を起こします。インフルエンザは、ウイルス感染してから1~3日間後に、38℃以上の高熱や頭痛、筋肉痛、関節痛、全身の倦怠感などの症状が出現します。
その後、咳、鼻汁などの上気道炎症状が続き、約1週間で軽快します。
インフルエンザウイルスは、乾燥した空気と20度以下の低温という環境下で長期間生存し、感染力を保持しやすいと考えられています。 例年、日本では季節性インフルエンザは12月から翌年3月に流行し、寒さの厳しくなる1月下旬から2月上旬にかけてピークを迎えることが推測されます。そのためインフルエンザ発症を予防するワクチンの接種が重要です。
ワクチンの効果については、健常者の発症を50~60%減少させたる、高齢者の死亡リスクを約80%減少させるという報告がございます。ワクチン接種後は約2週間でウイルスと戦う抗体が作られ最も効果が高くなるのは接種後2か月で、接種後約5か月間有効と考えられております。そのため10月中旬から12月中旬までに接種を済ませておくことをお勧めします。
当院ではワクチンの有効期間も考え接種は10月の第二週からの開始としております。
またWHOからも推奨されている通り下記の方々は優先して接種をお勧めいたします。
接種から30分以内にアレルギー反応(発疹、じんましん、呼吸困難等)が出ることがありますので、医療機関に連絡が取れるようにしておきましょう。24時間以内は、健康状態の変化に気をつけてください。
接種当日の入浴そのものは問題ありませんが、接種後1時間以内の入浴は避けてください。また、飲酒も控えましょう。
接種後は接種部位を清潔に保ち、当日は激しい運動・飲酒はさけましょう。
接種後注射した部位の赤身、腫れ、発熱、頭痛、だるさ等がみられることがありますが、通常2~3日で治ります。
肺炎球菌とは、日常生活で発生する肺炎(市中肺炎)の原因菌の約30%をしめており、肺炎の原因として最も多い菌であります。また髄膜炎や中耳炎、副鼻腔炎、心膜炎等を引き起こすこともあります。肺炎球菌は冬~春にかけて、飛沫により感染を引き起こします。
肺炎球菌ワクチンには23価ワクチンと13価ワクチンの2種類がございますが、当院ではより広範囲カバーでき、公費が適応される23価ワクチン(ニューモバックスNP)を使用しております。肺炎球菌ワクチン(ニューモバックスNP)接種により肺炎球菌感染を約40%程度低下させることがわかっており、予防効果時間は約5年以上あることがわかっております。また再接種すると予防効果が高まることが分かっており、5年以上たった場合に再接種することはできます。
肺炎球菌ワクチン(ニューモバックスNP)は65歳・70歳・75歳・80歳・85歳・90歳・95歳・100歳の高齢者及び基礎疾患のある60歳~64歳の一部の患者さんに対し、1回のみ接種費用の一部を公費で負担する定期接種があります。
副反応には接種部位の腫れ、痛み、赤み等がでることもありますし、筋肉痛、だるさ、発熱、頭痛等も認めることがあります。
麻疹とは麻疹ウイルスの空気感染により発症する感染症で、一般的には「はしか」と呼ばれています。感染力が強く抗体がない場合はほぼ100%が発症すると言われております。通常は38度程度の発熱やかぜ症状が出現し、2~4日発熱が続いた後に39度以上の高熱と耳の裏側や首の周辺に発疹を認めます。また発疹が出る前に、頬の粘膜に白い斑点を認めることがあります。通常は解熱剤等で対応し7~10日で回復しますが、肺炎や中耳炎、脳炎を合併する事もあり、数千人に1人の割合で死亡することもあります。マスクや手洗いだけでは予防できないため、ワクチン2回接種による感染予防が重要です。
風疹とは風疹ウイルスの感染に伴い発疹を生じる感染症です。飛沫感染によって人から人へと感染します。成人が感染した場合、高熱や発疹が長期間続いたり、関節痛などの症状が子供よりも重篤になることがあります。 風疹ウイルスに対する免疫が不十分な妊婦さんが風疹ウイルスに感染すると、胎児の死産・流産・早産を起こる可能性があります。また生まれてくる子供には先天性風疹症候群と呼ばれる障害が生じることがあります。妊娠中は風疹ワクチンを打つことができないため妊娠前から予防接種を受けておくことが大事です。風疹抗体が低下している方やワクチンを接種したかどうかわからない方、ワクチンを1回しか接種していない方は接種をお勧めいたします。
MRワクチンとは麻疹と風疹を同時に予防するためのワクチンです。麻疹ウイルスと風疹ウイルスを弱毒化し、接種することで体がウイルスに対する抗体を作り予防効果・重症度予防効果を発揮します。麻疹もしくは風疹の予防には麻疹・風疹の単独のワクチンではなくMRワクチンがお勧めです。風疹ワクチンを2回受けていない人は麻疹ワクチンも2回受けていない可能性が高く、麻疹に対する免疫が弱いことが多いからです。過去に風疹・麻疹にかかった事がある方が接種しても、3回以上MRワクチンを接種しても一般的には特に大きな問題はありません。
コロナ禍になって増えたものの一つに帯状疱疹があります。帯状疱疹とは、体の片側(右側もしくは左側)にピリピリ、チクチク、ズキズキとした痛みが出現し、1週間後に赤い斑点が痛むところに出現します。赤い斑点は帯状に出現することが多く帯状疱疹と呼ばれ、その後赤い斑点内に水ぶくれができ破れて、ただれた状態になります。帯状疱疹は内服薬を飲めば改善することが多いのですが、約2割が帯状疱疹後疼痛を合併し、痛みが数か月持続することもあるやっかいな病気です。
帯状疱疹の原因となるのは、水痘ウイルスです。皆さんが子供の時にかかって治ったとされている、「水ぼうそう」の原因水痘ウイルスが再び再活性化し暴れだしたものです。水痘ウイルスは完全になくなったわけではなく、神経の奥に潜んで免疫状態が落ちた時に再び表に出て暴れだすと考えられております。
コロナ禍で帯状疱疹が増えている理由としては主に2つ考えられており
以前から様々な免疫力が低下してくる50歳代から発症率は上昇し、70歳代で一番発症しやすく3人に1人が帯状疱疹にかかると言われておりましたが、コロナ禍になりその数は増加しております。50歳以上の方は帯状疱疹を予防するためのワクチンが推奨されております。
ワクチンには生ワクチンとサブユニットワクチンの2種類がございます。
それぞれの特徴を下記に記載いたします。
生ワクチン | 種類 | サブユニットワクチン (シングリックス) |
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1回皮下注射 | 用法 | 2~6か月間隔で2回接種 |
50%強 | 発症予防効果 | 90%強 |
約65% | 帯状疱疹後神経痛 予防効果 |
約90% |
約5年 | 持続効果 | 約10年 |
接種部位の発赤・腫れ・疼痛等 局所的なもの 60%弱 |
副作用発現率 | 接種部位の発赤・腫れ・疼痛等 頭痛・倦怠感・発熱等 |
打てない | 免疫抑制状態 or 免疫不全の人 |
打てる |
8,150円 | 費用 | 22,000円 ×2回 |
当院では新型コロナウイルスワクチン接種を必要に応じ実施しております。当院のワクチンはファイザー社のみでワクチンは完全予約制(当院かかりつけの方優先)となります。予約希望の方は当院に受診して予約をお取りください。
また他院より処方頂いている方は、かかりつけ医より許可を取ってください。
新型コロナウイルスワクチン接種については適宜、お知らせにて状況をご報告させて頂きます。