呼吸器内科|黒山内科医院

  • 神奈川県大和市中央林間2-21-20 コスモヒルズ中央林間1F
WEB予約 LINE予約

呼吸器内科

Medical

呼吸器内科とは

呼吸器内科

呼吸器内科では、おもに上気道(鼻腔、咽頭、喉頭)と下気道(気管、気管支、肺)を対象に、広く呼吸に関する病気を扱います。具体的には、息切れやせき、たん、のどの痛みなどの症状について診断を行って適切な治療を行います。

せきやたんなどのありふれた症状でも、長く続く場合や治りが悪い場合は、肺炎、肺結核、気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患、肺がん、心不全といった比較的重大な病気がかくれている可能性があります。特にせきやたんがなかなかおさまらない、呼吸に伴いゼーゼー、ヒューヒュー音がする、少し歩いただけで息苦しい、胸のあたりが痛いなどの症状がある方は、気管支や肺に異常がある可能性がありますのでご相談ください。

また、タバコを吸う方は、呼吸器疾患のリスクが高くなりますので、ぜひ禁煙することをおすすめします。

Medical

このような症状の方はお気軽にご相談ください

  • 長引くせき
  • たんがからむ、切れない
  • 息切れ
  • 風邪をひきやすい、治りづらい
  • ゼーゼー、ヒューヒューなどの呼吸音がする
  • 喘息といわれたことがある、身内に喘息の人がいる
  • アレルギー体質である
  • 喫煙者である、過去にタバコを吸っていたことがある

気管支喘息

気管支喘息は、急に空気の通り道となる気管支が狭くなってしまい、呼吸が「ヒューヒュー」「ゼーゼー」し始めて苦しくなる状態(いわゆる発作)を繰り返す病気です。気管支喘息では、気管支に慢性的な炎症が起こっていることが分かっています。

この炎症のために簡単な刺激が入っただけでも気管支の壁が腫れたり、粘液(痰)が分泌されたり、気管支の周りの筋肉が縮もうとしたりして気管支が狭くなってしまい発作が起こります。そのため、炎症を治さない限りいつまでも発作が出現します。

さらに、長く炎症が続いてしまうと気管支自体が硬くなって治療が難しくなる「リモデリング」といった状態に陥ってしまいます。診断は症状と除外診断から総合的に行います。必要に応じて呼吸機能検査や胸部レントゲン検査、心電図、採血検査等を行います。

治療は吸入ステロイド薬を中心に様々な内服薬、吸入薬を調整して気道の炎症を抑えます。コントロール不良な方はピークフローメーターをお渡しし、ピークフロー値をモニタリングしながら治療を行います。気管支喘息と診断された方は慢性の炎症が気管支にくすぶっているため、症状が治まっても吸入薬等の治療は継続することをお勧めいたします。

気管支喘息

気管支喘息

気管支喘息

出典:環境再生保全機構 ERCA(エルカ)

ホームページ(https://www.erca.go.jp/yobou/pamphlet/illust_dl/index19.html

咳喘息

咳喘息は、呼吸困難や喘鳴を示さず、呼吸機能検査が正常であるにも拘わらず、慢性の空咳(痰を伴わない咳)だけが続く病気です。

気管支喘息と同様に風邪、運動、タバコの煙、ストレス等で誘発され、日本の慢性咳嗽の最多の原因(30~40%)とされております。

診断には

  • 喘鳴を伴わない咳が3週間以上続く(厳密には8週間)
  • 気管支拡張剤吸入(β2刺激薬)にて咳が改善する事
  • 夜間、電車の中、冷気を吸ったときに咳がでやすい等の症状
  • 胸部X-P等の検査で異常所見が指摘できない

といったところから総合的に診断していくことが多いです。

治療としては気管支喘息と同様に吸入ステロイド薬を用います。またβ2刺激薬も有効であります。咳喘息は気管支喘息の前段階と考えられ、放置すると30%が気管支喘息に移行するため、吸入ステロイドを継続すること大切と考えられております。治療期間は症状に応じ、3カ月~2年程度となります。

アトピー咳嗽

気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎の既往歴・家族歴がある、もしくはアレルギー体質の方はアトピー性素因とみなされます。このアトピー性素因のある人が痰の絡まない咳を3週間以上している場合、アトピー咳嗽の可能性があります。

この症状は空咳が続くため、咳喘息とよく似ており診断を要します。
診断には以下の点を考慮します。

  • 痰のない咳が3週間以上持続している
  • 気管支拡張薬(β2刺激薬)が無効
  • アトピー素因があるもしくは喀痰の中に好酸球増加を認める
  • 抗ヒスタミン薬(アレルギーに対する薬)やステロイド薬にて咳が改善する

アトピー咳嗽は気管支喘息へ移行しない傾向があり、咳が無くなれば治療は終了することが咳喘息との違いです。

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、息をするときに空気の通り道となる気管支や肺に障害が起きて、呼吸が困難になる疾患です。90%以上の原因がタバコと言われております。タバコなどの有害な物質が気管支に炎症を引き起こす病態を「慢性気管支炎」といい、肺にまで及んで炎症を起こすと肺が破壊され弾力がなくなった病態を「肺気腫」といっておりました。この「肺気腫」と「慢性気管支炎」に分けられていた病気を、まとめてCOPDと呼ぶようになりました。

日本における、COPDの発症率は40歳以上で高く、その患者数は530万人以上と推定されておりますが、多くは診断されておらず未治療です。COPDを患うと、風邪をひいているわけでもないのに咳(せき)や痰(たん)が出ます。軽症の時は症状が目立たない事もありますが病状はゆっくりと進行しています。次第にちょっとした動作をする際にも、息切れや息苦しさを感じるようになります。進行すると呼吸困難になり、日常生活に支障をきたします。重症化すると呼吸不全に陥ったり、全身に障害が現れたりすることもあります。

診断は症状、喫煙歴、スパイロメーターによる肺活量検査、胸部レントゲンなどの画像検査から行います。特にスパイロメーターで測定される一秒率(一秒でどれだけ息を吐きだせるか)が70%未満に低下している事が重要視されます。

喫煙はCOPDを増悪させるため、治療の中心は禁煙となります。薬物療法には気管支を拡張させる薬を用います。吸入薬、内服薬、貼付薬がありますが効果・副作用を考慮して吸入薬が推奨されております。薬を用いない治療としては、呼吸リハビリテーション(口すぼめ呼吸や腹式呼吸などの呼吸訓練)や筋力トレーニング等の運動療法が中心となります。

また、感染症が併発するとCOPDが増悪するたので呼吸器感染症の予防も重要です。そのため新型コロナウイルスワクチン、インフルエンザワクチン、肺炎球菌ワクチンの接種が勧められます。 もしタバコを吸っているもしくは吸っていた方で息切れ症状があるなら、気軽にご相談ください。

肺炎

肺炎

肺は体内の二酸化炭素と、体内に取り込んだ酸素を交換する重要な器官です。その肺の組織が、細菌やウイルスなどの病原体に感染し、炎症を起こしてしまうのが肺炎です。

感染の原因としては、高齢である、他の疾患にかかってしまった、などの理由で身体の免疫力が低下し、肺にまで病原体が侵入して、感染するケースが多いようです。とくに、かぜやインフルエンザにかかり、ウイルスによって気管が傷つけられてしまうと、病原体を体外に排出できず、肺炎にかかりやすくなってしまいます。

肺炎の主な症状は、せき、発熱、胸痛、痰がでる、息苦しいなどで、かぜの症状と間違えられやすいのですが、症状が長引き、かぜの症状よりも重いのが特徴です。肺炎は日本における死因第3位で、95%以上が65歳以上となっております。

予防するためには、手洗い・うがい・マスク等といった日常的な感染予防に加え、65歳以上の方、心臓病、糖尿病、呼吸器疾患を持つ方は肺炎球菌ワクチン接種が推奨されております。

肺腫瘍

肺の良性腫瘍は気管支、肺実質、血管、胸膜などから発生し、肺腫瘍全体の2~5%を占めます。肺の悪性腫瘍と比べるとまれで、肺癌や転移性肺腫瘍との鑑別において重要です。

一般的には無症状で、健康診断や他疾患の治療中に胸部エックス線や胸部CTで異常陰影として発見されることが多いです。大きくなる速度も遅く、他の臓器に転移することもありません。画像で肺癌と似ていることがあるため、慎重に経過を追うことがあります。

また症状やレントゲン写真上で肺悪性腫瘍(肺癌等)が疑われた場合は、近隣の病院でCT検査等をお願いするなどの精査を行います。

肺癌の原因の約70%はタバコですが、その他の原因としては受動喫煙・環境・食生活・薬品・放射線等がございます。

タバコは約60種類の発がん物質があり、肺や気道が発がん物質にさらされることにより、細胞の遺伝子に変異が起こり癌を発症すると考えられております。当院では禁煙外来も行っておりますので、禁煙を考えている方は気軽にご相談下さい。

肺結核

結核菌は、ふつうの細菌のように手の指や土の中、水回りなど、どこにでもいるものではありません。通常は、感染したヒトの体内でのみ分裂・増殖し、発病したヒトが咳をしたときに出てくる"しぶき"(飛沫核といいます)の中の菌が空気中を漂い、それを大量に深く吸い込んだ人にのみ伝播する病気です。

したがって、結核の病変は多くが肺(「肺結核」といいます)ですが、肺以外でも頸や腋のリンパ節、胸膜、脳、骨、腎臓など肺以外のいろいろな部位に病気をおこすことがあり、これらをまとめて「肺外結核」といいます。

結核の代表的な症状

咳、痰、血痰、胸痛などの呼吸器関連症状と、発熱、冷汗、だるさ、やせなどの全身症状です。

結核は、一般的な肺炎やインフルエンザなどの呼吸器感染症とは異なり、ゆっくりと進行し、初期の症状が軽いため、自分ではなかなか気づかず、残念ながら診断時にはかなり進行していることがあります。時に命に関わるほど重症化することもあれば、重い後遺症のため呼吸不全に陥ったり破壊された肺に他の菌が感染を起こして肺炎を繰り返したりすることがあります。

2週間以上続く咳は結核を疑うサイン

同時に、接触した大勢の人に病気をうつしてしまっているかもしれません。そうならないためにも、早く医療機関を受診すれば、軽症で後遺症なく完治することができますし、大切な家族や友人を感染させてしまうことも防ぐことができます。「2週間以上続く咳は結核を疑うサイン」です。あまり気にならなくても、咳が続く場合は必ず医療機関を受診してください。